初の大学講義!@中央大学商学部

活動報告

事の始まりは、2022年9月某日、会社の後輩からある方を紹介されたことだった。

まだ夏の暑さも残る中、鶏のすき焼きをつつきながら、仕事や大学、キャリアの話題からインターンや”たよなん”の話に…

「一度、大学で講義をしてみませんか?」「良いですよ!」

二つ返事で応えたものの、そこから1ヶ月余り。100分×2コマという経験したことの無い長さや600名という受講生の規模、『一部の学生は重複して受講するため、極力違う内容が望ましいのですが…』という先生からのリクエストなど、内容が具体的になればなるほど、軽く引き受けたことを少し後悔する一方、期待以上のもので応えたいという真面目(?)な一面から夜な夜な資料作成に勤しむ日々。結局、過去に類を見ない200ページという資料が出来上がったのは開催日の2日前という綱渡り状態で、当日の朝を迎えた。

中央大学商学部のキャンパスは東京都八王子市に位置するが、自宅から距離があるため、9:00から始まる授業に合わせて、先生に迎えに来ていただき、約1時間のドライブの後、キャンパスへ。大学に来ること自体が久しぶりであり、今月、小学校や高校で行ったキャリアダイアローグとは違った空気を感じる。

8:30、講堂に入ると、早くも学生がチラホラ。(こんなに早くからみんなエライなぁ…自分の学生時代はどうだったか)と20数年前の思い出に浸りながら、パソコンを準備。1時間目は2クラス合同のため、約350名の受講者ということで、下から眺めるとなかなかの迫力。

9:00の授業開始と共に、紹介を受け、いよいよ講義スタート。まずは自己紹介からキャリアの話を20枚ほど。このパートでは特に海外赴任時代の話を深堀り。当時のことを思い出しながら、仕事だけでなく家族と一緒に経験した苦労話、海外赴任で身に着けたことなどを説明。

100分という時間はあっという間だった。

そして次のパートでは授業テーマに合わせ、開示資料を使ってゲームや音楽といったビジネスを説明。多くは5月の事業説明会で事業担当役員がメディアに対して説明したものだったが、改めて自分の言葉で語ることで学生たちにメッセージが届いていることを実感。ここまでで80枚のプレゼンが終了していたが、1時間を経過し、キリが良かったため、QAタイムに移ることに。

こんなに多くの中で手が上がるのかな?と思っていたが、勇気ある複数の学生から質問を受ける。(普段の授業ではここまでの質問は出ないということも後で伺った。学生の皆さんに感謝)全ての質問が素晴らしく、一つひとつ丁寧に回答。その中にあった3つ目の質問。

学生A「英語ができないと海外赴任できないですか?」

私「英語はあくまでもコミュニケーションの手段である。『英語力が付いたら、海外に行きたい』という人がよくいるが、完璧という絶対的な価値基準はなく、それを待っていてはいつまで経っても行動できない。それよりも、海外赴任を通じて、何を身に着け、何を実現し、どういった人間になりたいのかが大事。手段が目的化しないように!」

後日、受講してくれた多くの学生から感想やメッセージ※を頂戴したのだが、特にこのやり取りに心を動かされた学生が多かったように思う。会場から多くの質問をいただいたため、用意していたスライドは全て使わずに、ここで終了。

 ※合計で26万文字という凄まじいフィードバック!宝物にします。

ランチを挟み、3時間目の授業が開始。朝より若干少なかったが、それでも200名以上の学生が受講。授業テーマに合わせて、1時間目よりも更にビジネスや仕事の具体的な内容にフォーカスし、45分ほど説明を進める。3時間目の受講者は3年生がメインということで、就職活動も控えていることを想定し、1時間目に話せなかった私のMottoの話を急遽プレゼンの最後に織り込んでいたのだが、これが結果的に大正解。感想を読んでいても、私が大事にしてきた考えからヒントや勇気を得た学生が多かったように思う。

講義後記:キャリアやメッセージのパートはこれまで書き溜めてきたものの発表の場にもなったが、多くの学生の心に届いたようで感慨深い。海外赴任に関するやり取りでは、躊躇せずにチャレンジし、飛び出した先で最善を尽くすことの重要性を多くの学生が感じてくれたようだが、「それでも語学は大事だと思うので、自分は語学を頑張りたい」という学生もおり、それぞれ素晴らしいと感じた。彼ら彼女らのフィルターを通して感じたものを、これから先の長い人生に役立てもらえると望外の喜びである。

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