MORIUMIUSファーム整備ツアー 2024年3月

MORIUMIUS

 たよなんとして継続的に関わりを持っている MORIUMIUS ( モリウミアス )。石巻市雄勝町にあるこの MORIUMIUS は海と山が入り組む三陸海岸の自然を生かし、世界中の子どもたちにサステナブルに生きる力を提供する学び場として活動しています。

 雄勝町では今、津波被害のあった土地が花や緑で覆われる公設民営の公園になる計画が進んでいます。MORIUMIUS はそこで リジェネラティブ(※) な農業を通じて、生物多様な場を沢山の人とともに学びながら育んでいこうと一歩を踏み出しています。

(※) リジェネラティブとは 「 再生 」 や 「 回生 」 を表し、「 ある段階で当初の役割を果たしたものが、別のところで再び何らかの役に立つ 」 という意味を含んでいます。もともとは環境をより良い状態に再生する概念として生まれました。

 この土地の一角でぶどうを栽培するべく1年以上かけてファームの整備を行ってきました。今回いよいよ4月からぶどうの苗の植樹が始まるにあたり、ファームの水はけをよくする暗渠 ( あんきょ ) 掘りやぶどうの苗や農機具を保管しておくビニールハウスの作成などを行うツアーが開催されました。

 3月2日~3日の週末は、たよなんから平井と林の2名が参加し、また今回はこれから社会に出ていく大学生・大学院生の3名含め15名ほどが参加しました。たよなんでは、これからの社会を担う次世代に多くの選択肢を経験してもらおうと活動しております。今回、学生3名の方の参加費の一部を負担させて頂きました。参加してくれた学生の皆さまにはこの MORIUMIUS の想いや雄勝町の自然に触れてもらいながら自らのこれからの選択を考える一助にして頂ければ幸いです。


学生の皆さまから頂いた感想を一部抜粋して紹介します。

今回の活動に参加してみて感じたことを教えて下さい

  • 夜、モリウミアスの宿を出て星空を見た時は本当にきれいで心が洗われていくような感覚がありました。私自身田舎の生まれですが、街灯が無い中で見る空は本当に綺麗でした。エメラルドグリーンの海ももっと見たかったです。農作業は不慣れであまり貢献できませんでしたが、土の上に一からビニールハウスを立てて、0から1を生み出すことに関われたことに、とてもやりがいを感じました。また今度、農園に来た時に、このビニールハウスに自分もほんの少しだけ貢献できたんだなと思いながら、ワインを飲めたら最高だなと思います。
  • モリウミアスの方がどんな思いで復興させようとしているかを感じた。また、参加しなかったらなかった出会いがありとても楽しい一時を過ごせました。
  • 参加者の方々と交流を深める中で、多様なバックグラウンドを持った方との出会いの輪が広がる瞬間を体験できたと思います。間もなく被災から13年の月日が流れますが、今もなお癒えきってない土地を間近にして自分にもできることはないかと考えることができました。今回の作業を行った土地が緑豊かで、町の象徴もなっていくのを3年、5年、10年と見守っていきたいです。

モリウミアスやモリウミアスの活動についてどう思いましたか?

  • 雄勝町に寄り添う場所だと感じました。モリウミアスがあることで、そこに雇用が生まれ、移住者が生まれ、移住者まではいかなくともモリウミアスをきっかけに雄勝町を好きになって第二の故郷とする人々が増えていくと思います。その積み重ねが雄勝町の震災からの復興、雄勝町の未来につながっていくと思いました。
  • 人が住めなくなってしまった土地をどうにか風化させないように、活動を行っている姿に感銘を受けた。震災は震災にとどまらずに色んな問題が表面化して震災だけでは終わらないんだと思った。私は宮城県の山元町というところの復興にも携わっているが、その地域それぞれの形で復興に向かって前に進もうとしている、それらの知恵やアイディアが今回の能登にも生かされたり、私が能登に行って話を伝えるだけでも前向きになってくれる人がいるのかなあと感じた。また、葡萄の苗木にそれぞれ名前を付けてもらおうとしてる、なぜなら何歳になってもこの土地に想いを馳せるきっかけになるから。っておっしゃっている言葉を聞いて、地域活性化にあたってとても大事な観点だなと普段ボランティアをする身として参考になりました。
  • 市街地の暮らしでは決して得られない学びを得られる場所だなと感じました。豊かな海と森に囲まれた土地で過ごす時間は、年齢や出身の垣根を越えて生きる力を育む貴重な体験ばかりでした。漁村留学や1週間滞在などの活動がより多くの人に広まって、モリウミアスだけでなく雄勝の土地に関心を持ってほしいです。

 水はけの悪いファームに足が取られて悪戦苦闘しながらもファームの整備を進めることができました ( 左写真 )。ビニールハウスチームは骨組みを組み上げるところまで進みました ( 右写真 )。

 学生の皆さんはファームの整備が終わった夕方も MORIUMIUS で使われる薪も割ってくれました。うまく割れた時は気持ちいいです。

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