著者 楠木建
絶対悲観主義者の著者が実践してきた「GRIT無用、レジリエンス不要」の仕事の哲学。
この書籍の最終章に「キャリア」についての記述があります。
キャリアは事前の計画ではできない。
いろいろな要素が時間軸と空間軸の上で絡み合い形成される。
キャリア(Career)の語源はラテン語の轍(Carraria)と言われています。つまり、キャリアとはいろいろな経験や人生を経て、歩んできた”道”であるということ。
また、変化の激しい現代社会においては、具体的なキャリアプランの構想やキャリア戦略には意味はないとも言われています。iPhoneが発売されたのは2007年6月ですが、スマートフォンの登場が我々の生活を大きく変えました。あるいは、コロナ禍における生活様式の変化も同様ですね。これらを予期できた人はいるでしょうか。
キャリアに話を戻すと、8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定するというPlanned Happenstance Theoryというキャリア理論があります。偶然に対して最善を尽くし、より積極的な対応を積み重ねることによってステップアップを図るというものであり、私が大事にしている考えの一つです。
最後に著者の言葉を紹介したいと思います。
その時点でどの方向に行きたいかという感覚、自分なりの価値基準で、こういう仕事をしていきたい、あるいはこういう仕事はしたくない、これさえ決めておけば十分です。