子どもの小学校のPTAの評判が悪い。
「小学校在籍中に必ず1度は係を担当してもらいます。」と、毎年4月に配布されるPTA通信に決まり文句が掲載される。
保護者と先生をつなぐボランティア組織PTA。本来であれば家庭と学校、保護者と先生をつなぎ、子どもたちと先生たちをサポートする役目を果たす組織であり、少なからずいるであろう教育に関心の高い保護者たちの主体的な参加が期待される。
ただ、とにかく評判が悪い。
旧態依然としたその体制と、なぜか強いられる平等な負担に、重荷に感じている人が多いのであろう。
そんなPTAの会長を3年間務めた政治学者の岡田憲治さんが著者のこの書籍。
無駄をばっさばっさと切り捨てていく強硬な姿勢を期待してページを読み進めると…PTAに対する多様な価値観と向き合い、少しずつ見える景色が変わってくる著者。
公教育に限らず、ずっと昔から続く慣わしを変えていくには、強硬策だけじゃいけないのかもしれない。
求められるのは対話する姿勢。
そんなことに気づかされる一冊。